【子育て世帯の防災】被災ママが伝えるマニュアルには無い後悔&成功点

地震や豪雨など近年様々な災害が増えていますが、みなさんのご家庭ではどんな防災対策をしていますか?
政府や被災経験者の方から防災に関するとても有益な情報が発信されるようになり、防災グッズを常備して避難場所もしっかり決めているよ!というご家庭もずいぶん増えたように思います。

そんな中この記事では
「防災マニュアルには載ってないけど、子連れで被災した私が本当に伝えたいこと」
に絞って解説してみます。

きゃどりー

猛烈に後悔したこと、
私グッジョブ!と思えるほどやっておいて良かったこと、
特に子育て世帯の方にぜひ共有したいことをまとめたよ!
この記事を読むことで少しでも多くの命が守れますように。

Contents

深夜に突然襲ってきた震度7の大地震

私が体験したのは2016年4月に震度7を2回記録した熊本地震。
当時私は夫、私、息子(生後6ヶ月)の3人で小さなマンションの一室に暮らしており、自宅は熊本の中でも震源地に近く被害も大きかった地域にありました。

一度目の大きな揺れはお風呂上がりの授乳中。
二度目のさらに大きな揺れは翌日の深夜就寝中。

その頃の私は毎日慣れない育児に追われていて、部屋はとても片付いているとは言えずクローゼットに入りきらない物があふれた状態…。
そんな部屋が大きな地震に襲われたので、それはもう足の踏み場もないほどぐっちゃぐちゃでした。

生後6ヶ月の赤ちゃんを抱えた私が猛烈に後悔したこと

車の鍵は置き場所を決めておくべきだった

きゃどりー

これが一番の後悔ポイントなので最初にお伝えします!

「車の鍵は玄関でフックなどにぶら下げて置き場所を決めておけば良かった」

鍵の置き場所と言えば他にも平たいトレイに乗せる方法などが一般的ですが、私は断然フックにぶら下げておくことをオススメします。
なぜなら大きな揺れでも落ちにくく、鍵が行方不明になるリスクが低いから!
私は鍵の定位置が決まっていなかったがために、夫を命の危険に晒してしまいました。

深夜大きな揺れと緊急地震速報の音で飛び起きた私は訳もわからず息子に覆いかぶさりながら揺れがおさまるのを待ち、さすがにこれは逃げなきゃ!と暗闇の中荷物をまとめました。
しかし早くも最初の試練にぶち当たるのです。

「車のカギが…ない…!!」

私の住む地域は車が無いと生活がとても不便な田舎町です。なので当然車で近所の学校へ避難しようとしたのですが、ぐちゃぐちゃの部屋の中でどれだけ探しても車の鍵が見当たりません。

その日私は車の鍵をリュックサックのサイドポケットに入れっぱなしのまま、仕事用デスクへ無造作に置いていました。
地震の揺れで当然デスクごとリュックは吹っ飛び、ポケットから飛び出した車の鍵は散らばった荷物に埋もれていたのです。

一度は諦めて家族全員で外に逃げ出しましたが、夫は「鍵は俺が探してくるから息子と外で待ってて!」と言い残して余震もおさまらない中、再び部屋に戻っていきました。(これ危険なので本当は絶対やっちゃダメです!)
幸いにも夫は車の鍵をどうにか見つけ出して無事に戻って来てくれましたが、大きな余震が何度も何度も続いている中で「今マンションが倒壊したらどうしよう」と、夫が戻ってくるまで気が気じゃなかったことをよく覚えています。

きゃどりー

この経験から私が強くオススメする鍵の置き場所はこちら!

車の鍵の定位置、こんな場所がオススメ!
  • 玄関の壁やドアにフックを取り付けてぶら下げておく
  • 万が一フックから鍵が外れて落ちてしまっても、上から物が落ちてこない場所を選ぶ
キャドリーヌ

鍵に限らずいつも使うものは日頃から定位置を決めておくと、片付けやすいだけではなくていざという時に探す手間なく持ち出せるわね。

きゃどりー

そうそう!鍵が見えっぱなしでセキュリティや見栄えが気になるときは、こんなカバー付きのキーフックを使うのもいいと思うよ!

手作り信者だった離乳食、ベビーフードも経験させておけばよかった

初めての子育てで若干神経質気味だった私。生後5ヶ月から始めた離乳食は全て手作りで準備していました。
被災したときの息子はお粥にだんだん慣れてきて少しづつ野菜に挑戦している頃でした。

被災後2日間は電気もガスも水も復旧しなかったので車中泊。特に水は復旧までに1ヶ月かかっていた状況の中、当然手作りの離乳食どころではありません。

近所のドラッグストアでベビーフードを買うことが出来るようになるまでは3日もかからなかったのですが、一度も与えたことのないベビーフードを車中泊中に食べさせる勇気がどうしても出ませんでした。

「離乳食を完全手作りで進める方針だとしても、いざという時のためベビーフードも経験させておけば良かった」

震災に限らず突然ママが体調不良になって離乳食を作れなくなったり、急な外出でどうしてもベビーフードしか食べさせる物がない状況は突然やってきます。
私自身離乳食開始直後はなぜかベビーフードを使うことに罪悪感を持っていたのですが、もう少し肩の力を抜いて
「今日はママ休憩の日&赤ちゃんはベビーフードの味を体験する日にしよう♪」
と前向きに取り入れておけば良かったなと痛感しました。

キャドリーヌ

たしかに非常時に初めて食べさせるものをを与えて赤ちゃんに異変が起きたら…と考えると不安だわ。

きゃどりー

この時後悔したのをきっかけにベビーフードも取り入れるようになったんだけどあまりの便利さに感動!!それからは常にストックしてしんどい時は無理せず頼るようになったよ。

非常食ばっかり食べてるけど私の母乳大丈夫?

とってもありがたいことに被災直後からたくさんの友人知人、ボランティアの方から食材を届けていただいたり、近所のスーパーが何とか在庫のある物はすぐに販売できる環境を整えてくださったおかげで食べ物に困ることはほとんどありませんでした。
しかし生鮮食品を調理できる状況ではなく、口にするのはどうしてもレトルトやインスタント食品ばかり…という日が3日ほど続いた頃、あることが気になり始めます。

「こんな食生活だけど母乳の栄養、大丈夫…?」

当時私は母乳8割+ミルク2割程度の混合で息子を育てていました。
前述した通り離乳食が完全にストップしてしまったので、息子に与えられていたのは被災後しばらく母乳のみ。
でもとても栄養が十分に取れているとは思えないし、あまりよく飲んでくれなくなってる気もするし…
授乳を終えてもなんとなく不機嫌な息子の様子に不安は消えませんでした。

結果的に息子は特に体調を崩すこともなく元気に避難生活を乗り切ってくれたのですが、もし母乳育児中のママさんが防災セットを準備されていたらぜひお伝えしたいです。

ママの健康を保つサプリメントもストックしておくと安心です!

きゃどりー

もちろんサプリを飲んだからといって全ての栄養が完璧に補えるわけじゃないけど、非常時の心と体の安心材料としては大いに効果があると思いました!

キャドリーヌ

今は母乳育児中ママ向けの商品もたくさんあるし、美容サプリだけではなくてこちらもストックしておくわーー!

きゃどりー

ドラッグストアにも売ってるけど、アカチャンホンポベビーザらスなどの育児用品を扱うお店だと種類も豊富でおすすめだよ♡

断捨離!断捨離!とにかく物は少ないに越したことはない!!

育児中のパパさんママさんにとって常にお部屋を綺麗に保ち続けるのはハードルが高すぎます。
いいんです!おもちゃやおむつが散らばっててもいいんです!

きゃどりー

いいーーーーんです!!
(楽天カードマン風に)
(言いたかっただけ)


ただひとつ、やっておいて間違いないのは

「いらないものはすぐ手放して物を少なくしておくこと!」

余震も少し減ってきて車中泊から一旦自宅に戻った時、ぐちゃぐちゃに荒れ果てた部屋の床を埋め尽くしていたものはよく見るとあまり使っていないものばかりでした。

  • 何となくおしゃれだからとっておいたプリンやお酒の空き瓶
  • 過去の栄光に浸りたくて本棚に詰め込んでいた資格試験の使用済み問題集
  • 独身時代から謎に溜めまくっていた500円玉貯金(これほんとに床が500円まみれになってて笑いました)
  • 必要以上に溜め込んだ大量のヘアピン

ミニマリストレベルを目指さなくても全く問題ありませんが、日頃から物を少なくしておくことは防災の面でも安全を守ることに繋がると感じました。

これはやって良かった!と自分で自分を褒めたい成功体験

後悔ポイントがたくさん浮き彫りになった被災経験でしたが、反対にやっておいて良かったこともありました!

きゃどりー

失敗を反省するのもいいけど、後悔してばかりじゃメンタル持たなーい!
これは良くやった!グッジョブ自分!と思えたことも覚えておこうと思っています。

5万円以上の現金をすぐ持ち出せる場所に保管しておいたこと

我が家には家具家電やプレゼント代など、特別な支出のために常に現金でプールしているお金があります。
現金のまま家にお金を置いておいても利息もつかないし、防犯上心配だし、極力銀行口座に入れておくか投資に回したいところなのですが、この「特別支出用」のお金が私達家族の避難生活に大きく役立ってくれました。

きゃどりー

特別支出費についてはこちらの記事で解説してるよー!

普段使いのお財布がたまたま空っぽでもこの特別支出費を入れてあるポーチには常に5万円以上入っているので、暗闇の中このポーチを持ち出すだけで良かったのはとても楽でした!

避難中はドアが歪んでしまう心配もあり鍵もかけずに家を開けていましたし、避難中の家を狙った悪質な空き巣被害も多発しがちなので一瞬で自宅の現金を持ち出せるこの仕組みは今後も継続したいと思っています。

日頃から近所の人に挨拶して自分の存在を知ってもらっていたこと

私自身日頃からご近所付き合いを密にしているとは言えず、挨拶したり「今日も寒いですねー」程度のちょっとした会話をして顔見知りになっているご家族が数名いらっしゃる程度。

ですがそんな日常の挨拶だけでも「あのお宅には赤ちゃんがいるんだな」「いつもこの時間に会う人だな」と認識していただけていたようで、地震発生直後に隣に住む方がすぐ駆けつけてくれて「大丈夫ですか!?赤ちゃんも無事!?」と声をかけてくださいました。
その声がけにどれだけ安心できたことか…。

家族ぐるみで友達みたいに仲良くなっておかなきゃ!と肩肘張る必要はないかと思いますが、笑顔で挨拶することだけでも欠かさずに続けることで「この家にはこんな家族が住んでいる」と認識してもらうことができますよね。

お互い程よい距離で気持ち良く暮らし、いざという時助け合えるためにも「日頃から笑顔で挨拶」は続けて行きたい習慣の一つです。

助けてくれる人達には遠慮せず素直に甘えること

これはもう今思い出すだけでも泣けてくるのですが、地震直後から本っっっっっっっ当にたくさんの方々から
「大丈夫!?必要なものない!?なんでも送るから遠慮せず言ってね!」
と温かいお言葉が届きました。
退職して数年経っている元職場の上司・同僚、もう何年も会っていない友人など…心の底から嬉しかったです。

普段必要以上に人目を気にして遠慮してしまう性格の私はせっかくの好意もうまく受け取ることが出来ないことが多かったのですが、この時ばかりは「お言葉に甘えて遠慮はやめよう。助けてもらおう。」と決め、図々しいくらいに色々な物資をお願いして送って頂きました。

落ち着いてから改めてお礼の連絡をしたのですが、どの方も口をそろえてこう言ってくれました。

「とんでもない!こちらこそ頼ってくれて嬉しかったよ。少しでも力になれて良かった。」

ああ、助け合いってこういうことか。人に頼るって悪いことじゃないんだ。と心が軽くなった瞬間でした。
この心がけは家事育児の負担を一人で抱え込みがちな性格の私を今でも助けてくれています。

防災グッズだけじゃない。普段の生活でできる対策もあるよ。

近年ますます災害が増え、防災グッズとして備えておくべきもの、防災マップの確認、避難先を家族で共有しておくなど、いざという時に備えた対策方法が広く知られる様になりました。

この記事では広く知られたマニュアルには載っていないけど、実際に被災した立場だからこそ伝えられることに絞ってお伝えしてみました。

非常事態に備える準備の中で、少しでも読んでくださった方の安全を守れるヒントになれば嬉しいです。

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